J1第一節セレッソ大阪VS柏レイソル
2月27日明治安田生命J1リーグ第一節のセレッソ大阪と柏レイソル
の一戦を採点、選手評価、総評をしていきたいと思います。
昨季のリーグ得点王、MVPの絶対的エースであるオルンガが移籍し、攻撃力ダウンは避けられないか。しかし、その中でもクリスティアーノ、江坂、ヒシャルジソン、と実力のあるメンバーはそろっている。その中でも一番期待したいのは呉屋大翔である。オルンガが抜けた穴を埋めることのできるのはこの人しかいない。早い動き出しとパワフルなドリブルは相手の脅威になるであろう。今年の開幕戦に名将ネルシーニョはどのような采配をしてくるか、期待である。
一昨年は5位、昨年は4位と堅固な守備から上位の常連チームに導いたロティーナ監督を解任し、さらなる飛躍を求めて4度目の就任となるクルピ監督を招聘した。今季は昨季までボランチやセンターバックを務めていた木本や、絶対的なセンターバックであったヨニッチが移籍するなど全体的に戦力ダウンは否めない。しかし、清武、坂元を筆頭に豪華な顔ぶれが残っていることに変わりはない。今季はACLにも参加することから、過密日程が予想されるが、そんな時こそ若手の有望株である西川、中島、山田、藤尾には活躍してほしいところだ。開幕戦はブラジル人監督対決になるところも注目したい。
ヤンマースタジアム長居 4481人
主審 村上伸次
採点
ネルシーニョ監督5・0
開始序盤は果敢に攻め込む形が増えていたが、前半35分に退場者を出してしまい、失点してしまう。そこからクリスティアーノをワントップに置き、4-4-1の形で何とか勝機を探ったが、なかなか点が取れず試合終盤にダメ押しの得点を取られてしまう。不可解なところは試合終盤になっても攻撃的な選手の入れ替えがなかったことである。
17 キム・スンギュ5・5
前半から決定機をセーブするなどチームに貢献していた。ゴールシーンは相手の抜け出しがうまかっただけにノーチャンスだったか。ただ、彼でなかったらさらに得点されていた可能性は大いにある。
4 古賀太陽5・0
前半から一人少ない展開となり、少し難しい展開であったが、サイドから坂元に突破を許すなど守備面では物足りない印象であった。攻撃面では有効なクロスやパスを見せることはできなかった。
44 上島拓巳4・0
J1初出場は非常に悔しい結果となった。前半35分の退場がすべてである。
6 高橋峻希5・5
ところどころに積極的に攻撃する場面を見せたが、流れを変える効果的なプレーは見せることができなかった。
25 大南拓磨5・0
相点素早い寄せに対してミスが目立った。もう少し守備陣での連携を向上させたいところである。
7 大谷秀和5・0
あまり目立った活躍はできず、前半で交代となってしまう。
18 瀬川祐輔5・5
一人不利になった前半に惜しいボレーシュートを放つなど奮闘していたが、チームの結果は変えられなかった。
26 椎橋慧也5・0
大谷同様目立った活躍はできず、前半で交代となってしまう。
9 クリスティアーノ5・5
チームが一人不利になった後でも果敢にボールを追いかけまわしチャンスを演出していた。
10 江坂任5・5
随所に違いを見せるプレーが多く、多くのチャンスを演出していた。ただ、もう少し自分でシュートを打ちたかったか。
19呉屋大翔5・5
試合序盤は惜しいプレーも多かった。ただ、味方が退場となり守備員増員のため前半で交代となってしまう。もう少し彼のプレーを見てみたかったところだ。
途中交代
前半37分
呉屋大翔
↓
染谷悠太5・5
途中交代ながらも相手の大久保にしっかりとマークについていた。
後半0分
↓
三原雅俊5・0
後半開始からの出場であったが、なかなかチャンスを演出できなかった。
椎橋慧也
↓
ヒシャルジソン
攻撃にアクセントを持たせるために投入されたが、あまり効果的な動きはできず、ファールが多かった印象。
総評
オルンガの移籍から攻撃力の低下は免れないと予想していたが、試合開始序盤は相手に陣内に攻め込んでいた。しかし、35分に退場者を出してからは相手の後手に回ってしまったという印象。そのまま2失点してしまった。ただ、10人になった後もチャンスはできていたので来節は期待したいところ。
クルピ監督6・5
J1開幕戦という大試合に大久保嘉人を起用した。そして、センターバックには19歳でJ1初出場の石尾を起用した。前半序盤はうまく連携が取れず、相手に攻め込まれるという場面が多かったが、35分に一人有利となりそのまま得点した。後半には危なげない形を作り試合を締めた。
21キム・ジンヒョン6・0
前半後半ともに安定していた。守備の面だけではなく足元も器用で攻撃につながるロングパスを演出していた。
2松田陸6・5
サイドバックとしてとてもチームに貢献していた。守っては相手を自陣内に攻め込ませず、攻めては正確なクロスから大久保の得点をアシストするなど素晴らしい活躍であった。右サイドハーフの坂元ともよいコンビネーションであった。
14丸橋裕介6・0
前半のVARで取り消しとなったゴールのハンドはいただけなかったが、それ以外は安定したプレーをしていた。
15瀬古歩夢6・5
ヨニッチが抜けてから守備のリーダとして期待され、プレッシャーも多かったであろうが、終始安定したプレーを見せていた。
33西尾隆矢6・0
19歳でJ1デビュー戦とは思えない落ち着きを払っていた。ところどころにクリスティアーノに抜け出される場面もあったが新人にしてはとても良い結果であった。
4原川力6・5
今シーズンからセレッソに加入したが、チームのスタイルにとてもなじめていた。パス連携の面でも問題ないであろう。
25奥埜博亮6・5
攻守にわたって奮闘していた。相手へのプレスも怠らず、パスカットを連発するなど目には見えない活躍でチームに貢献していた。
10清武弘嗣6・5
攻撃の面で周りとは違うというプレーを連発していた。前線との連携もよく、今後はアシストもゴールも量産できるであろう。
17坂元達裕7・0
序盤から相手を追いかけまわし、攻守にわたって奮闘していた。特にボールロストをしてもあきらめず再び取返し、チャンスを演出していた。その結果試合終盤にはゴールという最高の結果を挙げることができた。
32豊川雄太6・5
坂本同様、序盤から相手を追いかけまわし、ボールロストを誘っていた。時には惜しいボレーシュートを放つなど存在感は大きかった。
20大久保嘉人7.5 ★MANOFTHEMATCH
さすがの得点能力であった。上島に対するレッドカードも大久保の裏への抜けだしがあったからこそのものである。これは言わずもがなのマンオブザマッチである。
途中交代
後半16分
↓
高木俊幸6.5
ダメえ押しの2点目となるゴールを演出した。そのほかでも裏への抜けだしや効果的なプレスなどが目立ち大いにチームに貢献していた。
後半25分
↓
加藤睦次樹6.0
フリーでのシュートはポストに直撃し、J1初ゴールとはならなかったが、得点能力は高いことを示した。
後半39分
↓
しっかりと守備の中で味方に貢献し、危なげなく試合を締めた。
総評
開幕戦としては大いに良い結果となったのではないであろうか。試合序盤こそ相手に責められるシーンが多かったが、徐々にリズムを取り戻していった。相手の退場もあり一人有利な展開になった。その中での大久保の得点というのは非常に大きかった。さらに新戦力を試しつつ試合終盤には坂元がゴールを決めるなど収穫の多かった試合ではないであろうか。